婚期を逃す理由とは？行動経済学で婚活の落とし穴を解説

「結婚したい」と思いながらも、気づけば独身のまま年齢を重ねてしまう――。実はこれは、本人の意思の弱さだけが原因ではありません。人間の意思決定に影響を与える“行動経済学的なバイアス”が深く関係しています。

IBJが発行している成婚白書でも、婚活がうまくいかない背景には、このバイアスが大きく影響していることが示されています。

本記事では、婚期を逃す落とし穴と、その解決策を分かりやすく解説します。婚活をこれから始めたい方や「なかなか進まない」と感じている方にとって、理想の未来を実現するヒントになるはずです。

行動経済学とは？婚活と意外な関係

行動経済学とは、人がどのように意思決定を行うのか、その「非合理な癖」を研究する学問です。
「合理的に考えればこうするはずなのに、なぜか違う行動をとってしまう」――そんな人間らしい判断の偏りを分析します。

婚活の場面でも、こうしたバイアスが強く働きます。本来は20代後半〜30代前半で結婚するのが望ましいとわかっていても、目先の快楽や安心を優先してしまい、気づけば婚期を逃す人が少なくありません。

婚期を逃す代表的なバイアスとは？

成婚白書では、婚活を先送りしてしまう理由として、以下のような行動経済学的なバイアスを挙げています。

• 現在バイアス：「今が楽しければいい」と考え、仕事や遊びを優先し、婚活を後回しにしてしまう。
• 現状維持バイアス：「親元の生活が楽だから」「独身の方が気楽だから」と、環境を変える一歩を踏み出せない。
• プロジェクションバイアス：「この先もずっと独身で大丈夫だろう」と誤って未来を想像し、危機感を持たない。
• 自信過剰バイアス：年齢を重ねても「自分ならまだ大丈夫」と過信し、相手への条件を下げられない。
• サンクコストバイアス：「過去に付き合った人より条件を下げたくない」と考え、出会いを狭めてしまう。
• 選択過剰負荷：マッチングアプリで候補が多すぎて選べなくなり、結局行動できない。
• 金銭的・時間的欠乏：仕事や趣味に追われ、婚活に割くエネルギーがなくなってしまう。

なぜ昔は結婚できていたのか？「ナッジ」の存在

昔の日本では、親戚や職場、地域コミュニティからの「そろそろ結婚したら？」というおせっかいがありました。これが行動経済学でいうナッジ（nudge＝軽く背中を押す仕組み）です。
強制ではなく「自然に行動したくなるように促す」働きかけが、若者を結婚へと導いていたのです。

しかし現代では、人間関係が希薄になり、周囲からのナッジが失われています。その結果、誰も背中を押してくれず、結婚を先送りし続けてしまう人が増えているのです。

結婚相談所は“現代のナッジ”

成婚白書では、結婚相談所のカウンセラー（仲人）の存在を「現代のナッジ」と位置づけています。
仲人は、相手選びの基準がぶれないよう助言したり、交際中の不安を整理してくれたりする存在。
「そろそろ決断してもいい時期ですよ」といった後押しも、行動経済学的に非常に効果的です。

実際に、相談所を利用する成婚者の交際期間は中央値で約4ヶ月。一般的な平均交際期間4.3年のわずか1/12というスピード感で結婚に至っています。
これはナッジがあるかどうかの違いが、大きな要因だと考えられます。

まとめ：婚活は「自分一人で頑張らない」ことが鍵

婚期を逃すのは、本人の努力不足ではなく、誰にでも起こり得る意思決定の歪みが背景にあります。
だからこそ、「ナッジ＝背中を押してくれる存在」を得ることが重要です。結婚相談所の仲人は、まさにその役割を担っており、短期間での成婚を後押ししています。

もし「結婚したいけれど行動できない」「気づけば年齢だけが過ぎている」と感じる方は、一度プロに相談してみるのも良いかもしれません。
婚活は一人で悩むより、第三者の知恵を借りるほうがはるかに効率的。そして、その一歩が、理想のパートナーとの出会いにつながるのです。